お引越し予定。
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文化祭も終わり、日中の騒動が嘘のように静まり返った校舎を、分公は走っていた。
全ては打ち上げのため。
クラス全員、もちろん女の子もいっぱいくる打ち上げに遅れないため。
分公は走った。
なぜこんな急ぐハメになったのか。
それは5時間ほど遡り、サッカー部顧問の口から発せられた言葉が原因となっている。
「おまえらー、終わったらグランドに来い」
この時点で「えー」とか「まじかー」とか、部員の口からはポロポロとため息が出てくる。
そいれもそうだ、文化祭の打ち上げのあるクラスは大体今日にやるところが多いからだ。
分公のクラスも7:30にみんなで集合の手はずだと、3日前から段取りされていた。
しかしここで急に下った練習の命令。
部員たちはさっそく身構える、が意味はない。
何時まで練習が続くのか、それが問題なのだが、肝心のそこは顧問の気分で決まる。
「おまえらやる気ないんじゃぼけ!まだやるぞ!」
「よーし、久しぶりに走ったら疲れるやろ?終わろうか」
経験上この二択である。
後者のパターンに持っていかなくては練習は校則を破って7時を超え、学校からサッカー部も怒られて打ち上げにも参加できない。
顧問と部員で繰り広げられる心理戦が、文化祭閉会式後の大掃除が終わるのと同時に始まった。
俺は絶対!
打ち上げにいく!!
6時15分。
グランドが公式に使える臨界地点まで残り
30分
無謀だ。
こんな30分ぽっちの練習で顧問が納得するわけがない、不法延長練習が決行されるに違いない。
皆がそう思った。
顧問がのしのしとグランドに入ってくる。
「こんにちわっ!!」
「おう、練習始めるぞ」
状況的には絶望するしかない時間帯だった。
しかし、部員たちは決してあきらめたわけじゃない。
1年に1回だけ、1生に1回だけの2009年の文化祭打ち上げに参加しようという熱意のこもったまなざしをしてやがるのだ。うむむ。これはいけるかもしれない。
6時30分。
臨界地点までのこり15分
分公の家は高校から自転車で約10分、打ち上げ会場は家から5分というものすごい近所なのだが、制服のまま参加すると店の匂い(鉄板焼き)が染みるのでどうしても着替えたかったのだ。
家に帰って着替えて会場にいく。
しめて20分弱の行動になるわけだが、それでも集合時間に間に合わせようとすると、1分一秒でも大切にしなくてはならないような微妙な時間だ。
練習は主にフィジカル(体力)トレーニング。
練習時間が短いのと、文化祭なまりを解消するためのメニューのようだ。
みんなで目配せをしあう。
「手を抜いたら時間が延長になるから、全力でやれ!」
丁度そのころ、時計の長い針が、6を指した。
臨界時間まであと5分。
分公たちはなまっているはずの体に鞭を打って走り続けた。
髪もシャツもパンツも汗まみれ。
やっぱりこのまま制服を着て打ち上げにいくのは皆の迷惑に違いない。
部員たちの目は半分白目である。
それほどに練習に打ち込んだ。
分公としてはこんなに頑張ったのは合宿以来である。
「打ち上げ・・・打ち上げええ」
兵たちの、虫が如く小さな小さな叫びであった。
臨界地点突破
時計は例の時刻を刻み、校内ではベルが鳴り響いた。
教員以外が消えてしまった校舎はとても暗くて、まさに分公たちの胸中を表現しているかのようだった。
「いっつもより声も出てるし走ってるし、お前らもっと動きたいやろ!?がはは、先生が後で怒られてあげるからもうちょっとやろう」
いつもより出した声
むき出しにした闘争本能
全てが裏目に出てしまった。
愕然とする部員たち、しかし調子に乗った顧問の指示は続く。
ああ、もういいや・・・
そこから行った練習の記憶は、ない。
いつの間にか練習が終わっていた。
監督を囲んで明日の連絡やらをやっている。
今は、何時だ!?
6:59
打ち上げまで残り
31分
「ありがとうございました!」
練習の終わりの言葉でもあり、今日の分公にとってはスタートの合図となった。
もうダッシュで鞄に駆け寄りながら、服を脱ぎ捨てる。
制服を引っ張り出して無理矢理着る。
ネクタイなんてつけてる暇もない。
バイバイッ!
と部員たちに言い残して駐輪場に
ポケットから鍵を取り出し自転車を開放する
またがる
走る
走る
気づけばゼェゼェいいながら鉄板焼の店にいた。
たしか家に転がり込んでまた無理矢理制服を脱いで着替えて来たんだっけ・・・
「はい分公くん引いてー」
紙くずの山から訳もわからずに1枚を適当に引く。
9
その前日の夜にぐりおにさんが使っていたチルノが思い出されたが、まさかバカって意味の9ではないだろう。
多分座席のくじだ。
「じゃ、分かれてー」
ゾロゾロと席についていく。
「あのテーブルか・・・」
席に着く。
やっと落ち着くことができたとホッとしていたその時
「あー分公くんと一緒だー」
「えーほんま?じゃわたしも一緒やん!」
「みんな固まっちゃったねw」
彼女らには失礼だが、
モンスター女子軍団がきた。
分公の座るテーブルだけ他のテーブルより暑い。
密度がかなり濃いのだ。
くっそおおおおおおおなぜ⑨を引いたああああああ!
⑨<あたいってばてんさいね!
すぐ逃げるように隣のテーブルに移動する
「自分のとこで食えよバカ!」
「だってメニューが運ばれてきた瞬間、俺が食べる前に消えてしまうんやもん・・・」
座席のことを除けば、ワイワイ騒いでお好み焼きをハフハフし、女の子たちも混ぜて(別テーブルの)ゲームをしたり、意外と分公も捨てたもんじゃないってぐらい楽しめた。
しかし自分のテーブル以外で飲み食いの大はしゃぎだったので
ハイエナ分公、⑨分公
と罵られることになったのだった。
めでたしめでたし
全ては打ち上げのため。
クラス全員、もちろん女の子もいっぱいくる打ち上げに遅れないため。
分公は走った。
なぜこんな急ぐハメになったのか。
それは5時間ほど遡り、サッカー部顧問の口から発せられた言葉が原因となっている。
「おまえらー、終わったらグランドに来い」
この時点で「えー」とか「まじかー」とか、部員の口からはポロポロとため息が出てくる。
そいれもそうだ、文化祭の打ち上げのあるクラスは大体今日にやるところが多いからだ。
分公のクラスも7:30にみんなで集合の手はずだと、3日前から段取りされていた。
しかしここで急に下った練習の命令。
部員たちはさっそく身構える、が意味はない。
何時まで練習が続くのか、それが問題なのだが、肝心のそこは顧問の気分で決まる。
「おまえらやる気ないんじゃぼけ!まだやるぞ!」
「よーし、久しぶりに走ったら疲れるやろ?終わろうか」
経験上この二択である。
後者のパターンに持っていかなくては練習は校則を破って7時を超え、学校からサッカー部も怒られて打ち上げにも参加できない。
顧問と部員で繰り広げられる心理戦が、文化祭閉会式後の大掃除が終わるのと同時に始まった。
俺は絶対!
打ち上げにいく!!
6時15分。
グランドが公式に使える臨界地点まで残り
30分
無謀だ。
こんな30分ぽっちの練習で顧問が納得するわけがない、不法延長練習が決行されるに違いない。
皆がそう思った。
顧問がのしのしとグランドに入ってくる。
「こんにちわっ!!」
「おう、練習始めるぞ」
状況的には絶望するしかない時間帯だった。
しかし、部員たちは決してあきらめたわけじゃない。
1年に1回だけ、1生に1回だけの2009年の文化祭打ち上げに参加しようという熱意のこもったまなざしをしてやがるのだ。うむむ。これはいけるかもしれない。
6時30分。
臨界地点までのこり15分
分公の家は高校から自転車で約10分、打ち上げ会場は家から5分というものすごい近所なのだが、制服のまま参加すると店の匂い(鉄板焼き)が染みるのでどうしても着替えたかったのだ。
家に帰って着替えて会場にいく。
しめて20分弱の行動になるわけだが、それでも集合時間に間に合わせようとすると、1分一秒でも大切にしなくてはならないような微妙な時間だ。
練習は主にフィジカル(体力)トレーニング。
練習時間が短いのと、文化祭なまりを解消するためのメニューのようだ。
みんなで目配せをしあう。
「手を抜いたら時間が延長になるから、全力でやれ!」
丁度そのころ、時計の長い針が、6を指した。
臨界時間まであと5分。
分公たちはなまっているはずの体に鞭を打って走り続けた。
髪もシャツもパンツも汗まみれ。
やっぱりこのまま制服を着て打ち上げにいくのは皆の迷惑に違いない。
部員たちの目は半分白目である。
それほどに練習に打ち込んだ。
分公としてはこんなに頑張ったのは合宿以来である。
「打ち上げ・・・打ち上げええ」
兵たちの、虫が如く小さな小さな叫びであった。
臨界地点突破
時計は例の時刻を刻み、校内ではベルが鳴り響いた。
教員以外が消えてしまった校舎はとても暗くて、まさに分公たちの胸中を表現しているかのようだった。
「いっつもより声も出てるし走ってるし、お前らもっと動きたいやろ!?がはは、先生が後で怒られてあげるからもうちょっとやろう」
いつもより出した声
むき出しにした闘争本能
全てが裏目に出てしまった。
愕然とする部員たち、しかし調子に乗った顧問の指示は続く。
ああ、もういいや・・・
そこから行った練習の記憶は、ない。
いつの間にか練習が終わっていた。
監督を囲んで明日の連絡やらをやっている。
今は、何時だ!?
6:59
打ち上げまで残り
31分
「ありがとうございました!」
練習の終わりの言葉でもあり、今日の分公にとってはスタートの合図となった。
もうダッシュで鞄に駆け寄りながら、服を脱ぎ捨てる。
制服を引っ張り出して無理矢理着る。
ネクタイなんてつけてる暇もない。
バイバイッ!
と部員たちに言い残して駐輪場に
ポケットから鍵を取り出し自転車を開放する
またがる
走る
走る
気づけばゼェゼェいいながら鉄板焼の店にいた。
たしか家に転がり込んでまた無理矢理制服を脱いで着替えて来たんだっけ・・・
「はい分公くん引いてー」
紙くずの山から訳もわからずに1枚を適当に引く。
9
その前日の夜にぐりおにさんが使っていたチルノが思い出されたが、まさかバカって意味の9ではないだろう。
多分座席のくじだ。
「じゃ、分かれてー」
ゾロゾロと席についていく。
「あのテーブルか・・・」
席に着く。
やっと落ち着くことができたとホッとしていたその時
「あー分公くんと一緒だー」
「えーほんま?じゃわたしも一緒やん!」
「みんな固まっちゃったねw」
彼女らには失礼だが、
モンスター女子軍団がきた。
分公の座るテーブルだけ他のテーブルより暑い。
密度がかなり濃いのだ。
くっそおおおおおおおなぜ⑨を引いたああああああ!
⑨<あたいってばてんさいね!
すぐ逃げるように隣のテーブルに移動する
「自分のとこで食えよバカ!」
「だってメニューが運ばれてきた瞬間、俺が食べる前に消えてしまうんやもん・・・」
座席のことを除けば、ワイワイ騒いでお好み焼きをハフハフし、女の子たちも混ぜて(別テーブルの)ゲームをしたり、意外と分公も捨てたもんじゃないってぐらい楽しめた。
しかし自分のテーブル以外で飲み食いの大はしゃぎだったので
ハイエナ分公、⑨分公
と罵られることになったのだった。
めでたしめでたし
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無題
>「あー分公くんと一緒だー」
フラグが立った!!
なにより充実した一日がおくれたようでw
分公さんはなかなか人気者のようですね!
>「みんな固まっちゃったねw」
ってことで前から女子と仲がいいようですしw
リア充め!
フラグが立った!!
なにより充実した一日がおくれたようでw
分公さんはなかなか人気者のようですね!
>「みんな固まっちゃったねw」
ってことで前から女子と仲がいいようですしw
リア充め!
Re:無題
モンスター軍団となんてフラグ立てたくないですよ^^;
「みんな固まっちゃったねw」
これはモンスター軍団が仲がよくて、みんな集まったねってことみたいですw
分公が抜けようとも関係なく牛筋食べてました
打ち上げが終わって、みんな一緒に帰るのに一人寂しく帰宅した分公がリア充なはずがないですありがとうございました
ま、楽しかったのでよかったんですけどねw
「みんな固まっちゃったねw」
これはモンスター軍団が仲がよくて、みんな集まったねってことみたいですw
分公が抜けようとも関係なく牛筋食べてました
打ち上げが終わって、みんな一緒に帰るのに一人寂しく帰宅した分公がリア充なはずがないですありがとうございました
ま、楽しかったのでよかったんですけどねw
Re:無題
過酷過ぎましたw
家に帰って大人しく非想天則をしましたとさ
家に帰って大人しく非想天則をしましたとさ
近況報告
楽しい。 at 御在所岳
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プロフィール
HN:
分公
性別:
男性
職業:
大学生
趣味:
最近はもっぱら野宿
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