お引越し予定。
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阿部公房という作家の「鞄」という作品がある。
分公は小学校高学年のときに塾に通っていたのだが、そのとき配られたテキストで鞄に出会った。
ストーリーはとてもシュールというか、一回じゃよくわかんない感じで、小学校6年生の分公には「?」でしかなかったのだが(実際に解答欄は×だらけだった)たまたま机を掃除していたら出てきたので読み返してみた。
主人公はある事業所の責任者風の男。
ある日、事業所に青年が半年前に出した求人広告に応募したいとやってきた。
くたびれた服を着ているなど身なりは悪い、しかし彼の表情はどこか達観したような、筋が通った顔立ちだ。
青年は荷物を抱えていた。
赤ん坊が3人ぐらい入りそうな鞄。青年が肩から提げたそれが何と気になってしまう。
何が入ってるかも分からないその鞄を青年は手放そうとしなかった。
貴重品でもないのにである。
この鞄を持ちながら歩いていると坂道が上れないのだと話した。重たくて上れなくなるのだ。しかし彼はこの鞄を話さずに坂道を上らないように歩き続けてきて主人公の店に辿り着いたのだという。
青年を雇うことにした。彼は下宿先を下見をしに、鞄をおいて出かけていった。
主人公は不思議な鞄を肩に提げた。
坂があがれないほど重くはない、しかししっかりとした重みがある。
店の外に出て通りを歩いてみると急に腰に激痛が走った、気にもとめていなかったが、目の前は坂道。
気づけば店に戻れなくなっていた。
下り坂を、下り坂を進むしかない。いつのまにか自分がどこにいるのか分からなくなってしまった。
「嫌になるほど自由だな」そうつぶやいて鞄の導くままに歩き続けるのだった。
というストーリーである。
シュールである。
持ってしまうと坂をあがれなくなる鞄。それをもってきた青年。
不思議である。
そう、当時の分公にとっては。
しかし分公、いい加減モノの分別もつかない小学生からずいぶん成長している。
さっき読んでみたらこのシュールなストーリーも自分なりの解釈ができるようになったのだ。
分公はこの鞄の大きなテーマである、鞄の正体は「自由」であると考えた。
鞄の仕組みは、担いだモノに「坂道が歩けなくなる」という制限を加える。
この制限こそが自由の本質だと思うのだ。
自由というのは、何か制限があるからこそ生まれる言葉で、例えば会社を止めて自由に生きようと思っても、資本主義であるこの社会からは本当の意味で自由にはなれないし、仕事をする畑を耕すモノを盗むなどといった生きるために努力をする制限からは解放されない。
言論を自由にしようとも、自分の知っている言葉のボキャブラリーの制限以上のことはハッすることはできないし、思想の自由も自分の想像の域は脱することができない。
だからこの鞄のもたらす制限も自由の一部なのだ。本文にも書いてあった「どこに行くかは自由だ」という内容の文章からもこんな事が読み取れる。
そして誰もが思う一つの疑問
「戻りたければ鞄を下ろせばいいじゃん」
という疑問。それも鞄を自由だと思えば簡単に説明がつく。
自由でいることが辛くても、手放せないのが自由なのだ。
テスト勉強から逃げ出して自由を手に入れる、赤点をとるかも知れないというつらさを抱えながらもいったん手にした自由はなかなか手放せないモノと同じようなものだ。
自分に与えられた自由、主人公も青年もそれを手放せずに鞄を大事に提げたまま歩き続けるのだと思うのだ。
こうやって前に読んだ本を読み返してみると、いろんな解釈や、分かるようになった表現がたくさん出てきて面白い。
とくにこの阿部公房のような作家みたく、日本だけで生活していない人の作品というのは、万国共通の取り方ができるように難しい表現を簡単な描写に織り込んでくるのでオススメである。
・・・って、分公は理系なのになにやってんだか。
そして、昔の文章を読み返してみると面白いとったモノの、自分の記事はどうにも読む気が起こらないのであった。
分公は小学校高学年のときに塾に通っていたのだが、そのとき配られたテキストで鞄に出会った。
ストーリーはとてもシュールというか、一回じゃよくわかんない感じで、小学校6年生の分公には「?」でしかなかったのだが(実際に解答欄は×だらけだった)たまたま机を掃除していたら出てきたので読み返してみた。
主人公はある事業所の責任者風の男。
ある日、事業所に青年が半年前に出した求人広告に応募したいとやってきた。
くたびれた服を着ているなど身なりは悪い、しかし彼の表情はどこか達観したような、筋が通った顔立ちだ。
青年は荷物を抱えていた。
赤ん坊が3人ぐらい入りそうな鞄。青年が肩から提げたそれが何と気になってしまう。
何が入ってるかも分からないその鞄を青年は手放そうとしなかった。
貴重品でもないのにである。
この鞄を持ちながら歩いていると坂道が上れないのだと話した。重たくて上れなくなるのだ。しかし彼はこの鞄を話さずに坂道を上らないように歩き続けてきて主人公の店に辿り着いたのだという。
青年を雇うことにした。彼は下宿先を下見をしに、鞄をおいて出かけていった。
主人公は不思議な鞄を肩に提げた。
坂があがれないほど重くはない、しかししっかりとした重みがある。
店の外に出て通りを歩いてみると急に腰に激痛が走った、気にもとめていなかったが、目の前は坂道。
気づけば店に戻れなくなっていた。
下り坂を、下り坂を進むしかない。いつのまにか自分がどこにいるのか分からなくなってしまった。
「嫌になるほど自由だな」そうつぶやいて鞄の導くままに歩き続けるのだった。
というストーリーである。
シュールである。
持ってしまうと坂をあがれなくなる鞄。それをもってきた青年。
不思議である。
そう、当時の分公にとっては。
しかし分公、いい加減モノの分別もつかない小学生からずいぶん成長している。
さっき読んでみたらこのシュールなストーリーも自分なりの解釈ができるようになったのだ。
分公はこの鞄の大きなテーマである、鞄の正体は「自由」であると考えた。
鞄の仕組みは、担いだモノに「坂道が歩けなくなる」という制限を加える。
この制限こそが自由の本質だと思うのだ。
自由というのは、何か制限があるからこそ生まれる言葉で、例えば会社を止めて自由に生きようと思っても、資本主義であるこの社会からは本当の意味で自由にはなれないし、仕事をする畑を耕すモノを盗むなどといった生きるために努力をする制限からは解放されない。
言論を自由にしようとも、自分の知っている言葉のボキャブラリーの制限以上のことはハッすることはできないし、思想の自由も自分の想像の域は脱することができない。
だからこの鞄のもたらす制限も自由の一部なのだ。本文にも書いてあった「どこに行くかは自由だ」という内容の文章からもこんな事が読み取れる。
そして誰もが思う一つの疑問
「戻りたければ鞄を下ろせばいいじゃん」
という疑問。それも鞄を自由だと思えば簡単に説明がつく。
自由でいることが辛くても、手放せないのが自由なのだ。
テスト勉強から逃げ出して自由を手に入れる、赤点をとるかも知れないというつらさを抱えながらもいったん手にした自由はなかなか手放せないモノと同じようなものだ。
自分に与えられた自由、主人公も青年もそれを手放せずに鞄を大事に提げたまま歩き続けるのだと思うのだ。
こうやって前に読んだ本を読み返してみると、いろんな解釈や、分かるようになった表現がたくさん出てきて面白い。
とくにこの阿部公房のような作家みたく、日本だけで生活していない人の作品というのは、万国共通の取り方ができるように難しい表現を簡単な描写に織り込んでくるのでオススメである。
・・・って、分公は理系なのになにやってんだか。
そして、昔の文章を読み返してみると面白いとったモノの、自分の記事はどうにも読む気が起こらないのであった。
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無題
分公さんの思考と俺が今まで読んできた論文のようなものが一致しすぎて逆に怖い
自由と制限てどちらかがかけても認識できないんですよね・・・
こういう文って読んでて面白いですww
是非、昔の分公さんを振り返ってみてくださいw
自由と制限てどちらかがかけても認識できないんですよね・・・
こういう文って読んでて面白いですww
是非、昔の分公さんを振り返ってみてくださいw
Re:無題
今思い返してみると、「こんな糞ブログ誰が読むんだよ」っていう内容がビッシリ書いてありましたね☆
分公もいろんな所から影響を受けているので、もしかしたらその文章もどこかで読んでいるかも!
分公もいろんな所から影響を受けているので、もしかしたらその文章もどこかで読んでいるかも!
無題
こんばんは。こじまです。
何だか人生を考えなおさせてくれるような文章ですね。
私がこういう文章を色々と自分なりに解釈できるようになったのはやっぱりライトノベルがかなりの影響を与えていると思うのです。
ありがとうある日、爆弾が落ちてきて。
何だか人生を考えなおさせてくれるような文章ですね。
私がこういう文章を色々と自分なりに解釈できるようになったのはやっぱりライトノベルがかなりの影響を与えていると思うのです。
ありがとうある日、爆弾が落ちてきて。
Re:無題
こんな17ぽっちの男子高校生の文章で人生を考え直してもらえるなんて思っても見ませんでしたw
分公がハマった本と言えば何でしょうね・・・穴っていう児童本があるのですが、当時は結構すきで何度も読んでましたね。決してエロくないですよ!?
ありがとう狼と香辛料
分公がハマった本と言えば何でしょうね・・・穴っていう児童本があるのですが、当時は結構すきで何度も読んでましたね。決してエロくないですよ!?
ありがとう狼と香辛料
無題
「自分に由(よ)ることが、自由・・・!
他人ではなく、自分で自分を決められる・・・!
これが、俺がずっと求めてきたもの!」
少年時代、少年院で、朝から晩まで決められた
ことだけをずっとこなすだけの毎日に嫌気がさし、
成人した日にそこを脱出、ボロアパートの一室で、
この言葉をかみしめる・・・
カイジ出典
他人ではなく、自分で自分を決められる・・・!
これが、俺がずっと求めてきたもの!」
少年時代、少年院で、朝から晩まで決められた
ことだけをずっとこなすだけの毎日に嫌気がさし、
成人した日にそこを脱出、ボロアパートの一室で、
この言葉をかみしめる・・・
カイジ出典
Re:無題
吾人は自由を欲して自由を得た。自由を得た結果、不自由を感じて困っている。
夏目 漱石
夏目 漱石
無題
お久しぶりです^^
タイトルとかは思い出せませんでしたが多分読んだことありますね!同じように小学生の頃
あの時は不思議だなぁくらいにしか理解出来なかったけど、なるほどそういうことかもなぁ
やはり分公さんの文章は深イイです(--
タイトルとかは思い出せませんでしたが多分読んだことありますね!同じように小学生の頃
あの時は不思議だなぁくらいにしか理解出来なかったけど、なるほどそういうことかもなぁ
やはり分公さんの文章は深イイです(--
Re:無題
深イイだなんて、浅イイ話っぽいなにかですよw
多分スイミーも今読めば何とか・・・曲解できそうです^q^
もっと自分で言いたいことが描けたらいいなぁって悩みますね、ボキャ貧とはまさしくこれです
多分スイミーも今読めば何とか・・・曲解できそうです^q^
もっと自分で言いたいことが描けたらいいなぁって悩みますね、ボキャ貧とはまさしくこれです
無題
中学の教科書だぞー、naosuke。
俺の中ではこの文章はエヴァアニメ版最終話に通じる所があると思っています。
地面があるから、重力があるから歩くことができる。
自由ってそういうことなんだと思います。
俺の中ではこの文章はエヴァアニメ版最終話に通じる所があると思っています。
地面があるから、重力があるから歩くことができる。
自由ってそういうことなんだと思います。
Re:無題
いいな~中学の教科書でこんなにが載っていたら分公も当時目覚めていたかも・・・あぁ、その頃にはエヴァ最終話も見ていたんである意味目覚めてましたw
エヴァQが今から楽しみ!!
とってもほしいのが自由、持っていると手放したいような手放したくないような。
それも自由。
エヴァQが今から楽しみ!!
とってもほしいのが自由、持っていると手放したいような手放したくないような。
それも自由。
近況報告
楽しい。 at 御在所岳
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プロフィール
HN:
分公
性別:
男性
職業:
大学生
趣味:
最近はもっぱら野宿
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